うつ病で障害者3級の状態で働けるの?無理に就職したら体調悪化のキケンが!退職に至る可能性を探る
私はうつ病によって何度か休職を繰り返してきました。
主治医のアドバイスで障害年金(厚生年金)3級を取得することが出来たのですが、年金受給だけでは生活していけません。
障害者枠で働くことを決意し、ドクターストップという体調のなか奇跡的に超安定企業に就職が決まります。これで生きていける!と思った瞬間に体調が悪化。
今回は国が定めた「障害年金3級は外に出て働ける程度」という見解は正解なのかどうか。実体験をもとに検証してみました。果たして現実はどうだったのでしょうか。
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もくじ
治療が遅れると回復も遅れるという現実
私は発達障害の二次症状としてうつ病を発症しました。その事実が発覚したのは通院して1年以上も後の事です。あらゆるうつ病の薬を処方されたのですが効果は感じられないまま。
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毒親の存在と3級という現実の間で
発達障害のための治療に入ってから、やっと緩解の兆しが見えてきたのです。それまで何度も主治医が変わり治療の方針もさまざま。困惑する中で体調が良くならないジレンマも。
所詮障害の認定が3級なのだから働くことが可能だという情報をうのみにした部分もあります。何より毒親の「働け!」という圧力には抵抗しきれませんでした。
うつ病による体調不良で休職に至ること数回。その度に復職を検討するものの、結局は拒絶反応が起こり退職として処理されました。復職に関しては慎重に考えたいものですよね。
焦燥感は回復力を後退させる
いちばん困ったことは、復職を考える時に必ずフラッシュバックが起こるのです。例えば以下のようなことが目の前に起こっているかのような錯覚に陥ってしまいます。
- 業務速度が異常に遅くなる瞬間があること
- 周囲に巻き込まれて業務を請け負ってしまうこと
- 気分が悪くなる度にトイレに駆け込むこと
毎日得体の知れない影とたたかっているイメージ。締め日には大量の書類が目の前に積まれます。今日中に処理しなければ間に合わないという現実がプレッシャーに。
緊張感がストレスとなり同時に焦る気持ちが強くなるので、体中の至るところに痛みや発熱といった症状が出始めるのです。それによって体調は回復どころか悪化していきます。
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障害者枠での採用は比較的通りやすい
私は決して世渡り上手でもありません。さらに肝心の処理能力が著しく低下中という状態。それにも関わらず障害者枠での求人には希望が持てるのです。
少々高望みしても大丈夫だった
職安の担当者が言ったことに対して、偶然なのかラッキーだったのか以下のような項目に該当することも無く思ったよりも簡単に採用が決まりました。
- 障害者枠の採用は超難関であること
- 企業は厚労省が提唱する求人割合を社会貢献のノルマとして考えていない
- そもそも求人を出すものの採用はしないという方針
確かに採用予定人数に対して何十倍という倍率でしたし、公共事業に限りなく近い企業でしたので採用しないという事はあり得ませんでした。
そういった経緯から、体調は優れないものの多少無理をして人気の求人枠に希望して難なくパスしたことは、嬉しくもありつつ自信が無かったので驚きでもあったのです。
毒親の満足が私の満足感
ただ一つ、履き違えていたことは毒親の望みどおりに生き続けていることでした。人並みに高い給料を貰うことや規則正しく週に5日働くことなど。
病気などではなく健康体なら普通のことだと考えられるでしょう。でも絶賛闘病中なのに「働け!」とあおられながら、更に毒親が満足する企業に就職すること。
そして休日やボーナスも普段のお給料さえも毒親に捧げることが私の使命であり、それを継続することで満足感を得ていると錯覚していたのです。
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自己満足だけで仕事は続かない
何よりも忘れてはいけないこと、それは働くこと以前に病気であるという認識です。採用されたことで毒親に捧げる365日が実現したワケですが。
毒親の送迎による不自由
初出勤から1週間程度は自分の足で通勤を試してみました。ところがすぐに体調が悪化したのです。そこから毒親の朝夕の送迎が始まりました。
人混みが苦手なので始業時間の30分以上前には出社。相変わらず眠れない日々の中、毎日親の車でぐったり。結局体調が悪くなるので早退することに。
送迎すると押し切られているので、親の迎えを待つ間は耐えられない程のツラさが私を苦しめるのです。1度だけタクシーで帰宅してみたのですが思ったより高額料金で断念。
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自閉傾向にある私へのいじめ
思ったことが言えないので、コミュニケーションに欠陥があることを察知した同じ部署の女子が執拗なほどにいじめの対象として攻撃し続けてきました。
また業務の依頼を断れない性質が周囲に迷惑となり、それを指摘されることも多くありました。ルーティンワークに関しては死に物狂いで処理して間に合わせていました。それが逆にヒマだと思われたのでしょう。仕事は増える一方でした。
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焦る気持ちは体調悪化の一因
障害があることをオープンにして働いても、普通の人として扱ってもらえることは非常にありがたいことです。でも障害者枠で採用された以上は配慮してしかるべき。
正社員だからという理由を私にしつこく諭しながら業務量を増やす部署の体制に疑問がありました。仕事をこなそうと焦れば焦るほど業務量は増え体調は悪化。
今考えると体調が悪いながらも、かなりの仕事量をこなすことが出来ていたのだと思います。その証拠に休職の時には再三復帰を促す文言が書かれた手紙が届いたのです。
本当に必要な人材だったのかどうかは定かではありませんが、社会に出て私が唯一感じていることは、どんな業種でも利用価値のあるタイプだということ。
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復職を阻む会社側の矛盾した事情
早期回復と復帰を望む一方で矛盾した会社組織の動きがあったことは確かなことです。働いている時には全く配慮が無かったのに、休職した途端、精神障害への塩対応の応酬が。
復職の時期を早急にあおる社会のシステム
何度か休職した中で感じたのは、たとえ業種が違っても会社組織である以上は何も変わらないということです。例えば以下のような流れが主なものでした。
- 毎日のように執拗に電話をかけてくる
- 必要書類と同封された手紙には早期の復帰を要望する文言が
- 「今はゆっくり休んで」と言いつつ復帰の時期を聞いてくる
休んでいることに対する罪悪感を思い出させるような言葉や、休んでも良いけれど仕事はたまっていくよという威圧感は、休んでいる者にとって脅し以外のナニモノでもありません。
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部署異動の希望を却下されたこと
そもそも単一部署で採用されたことによる異動願いが出せないという時もありました。ですがほとんどの企業が会社採用という枠の中で働いているのです。
他の部署なら働ける環境かも知れないと一縷の望みをかけて申請してみたり希望届けを提出したりするのですが、私の経験上では全てが却下と言う結果に。
個人的には差別以外のナニモノでもないという印象。精神障害というだけで、はれ物扱い。強制入院をも辞さない閉鎖病棟のある病院での面談を強制されたことが一番のショックでした。
就活の心得
国が障害者差別への注意喚起をする一方で実感したのは明らかな嫌がらせでした。就活するなら、いじめや嫌がらせに耐えうるメンタル強化を十分にした上で臨むことが重要です。
お金は最優先事項から外すことの重要性
働くことイコールお給料が発生しますね。通常なら働いた対価をいただくことは当然のことだと言えるでしょう。でもその前に病気である事実が目の前にあることを忘れずに。
お金は大切ですし、病院に通院している以上は診療代や処方薬に費用がかかります。それらを最低限まかなうために傷病手当金や障害年金の制度があるのです。
どうしても緊急にお金が必要になった場合でも、障害者の事情に応じて国からお金を借りることもできます。
どうしても困った場合は生活保護という方法も。
毒親の圧力に屈しないこと
私の場合は毒親が「働け!」「金出せ」と要求することが多々あるので、怯えながら従う他に方法が見当たりませんでした。通院する中で医師との信頼関係を築くと少し変化が。
「できるだけ親と距離をおくこと」
これは物理的な話でもあり、気持ち的な話でもあると主治医は言います。物理的に距離を置くことは早急に出来る状況では無いので、気持ちの上で距離を置く努力をすることに。
時間はかかりますが、回復を感じる度に毒親の圧力をスルーできるチカラが備わっていくのです。自分自身のチカラを信じて前に進んでいくことが大切。
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頼れる安心安全な場所の見つけ方
心配してくれる家族や身近な存在はいますか。理解してくれる家族がいる場合は一緒に主治医の話を聞いてもらいましょう。現在の病状や再発や緩解の時期も相談することです。
公共機関の個別面談
私の場合は毒親という安心安全でない存在が身近にいたので、色んなところに相談に行きました。例えば以下のような場所に問い合わせたりしたのです。
- 職安の担当者ではなく常駐している保健師などの専門家
- 厚生労働省関連の出先機関にて定期的に行われる相談会
- 市町村が運営する福祉協議会に常駐する精神保健福祉士などの専門家
実際に問い合わせたり相談にのってもらった経験から、個人情報やプライバシーは守られているので安全だとわかりました。相談するときは個室に通されるため、周囲の目を気にする必要はありません。
医師との連携や信頼関係の強化
医師との連携や信頼関係を強化するために下記のような場所を探すことが要となります。
- 公共の施設は立地的に通いやすい方が良い
- 身近で安心できる場所であること
- 安全が確保されている、かかりつけの病院など
安全で安心な場所を探すことは闘病中の場合、特に苦難に思えることでしょう。私の経験上では、一番信頼できる医師と心理士のダブルサポートに恵まれました。
信頼関係を築くには主治医と良く相談をした上で納得して信じていくしか方法はありません。心理士やケアワーカーなどの存在も医師との橋渡しに重要な役割を果たしてくれます。
3級という等級が働く意欲を呼び起こす
医師との信頼関係があるからこそ、診断書を書いてくれたという事実を重く受け止めるのです。一方で診断書を提出した結果3級という等級が働く必要性を感じさせます。
ドクターストップという指導を無視してしまう
3級という数字は健康ではないけれど働けないこともない、という矛盾した意味をあらわしていると思うのです。そういうことから焦りが発生することも。
私が最も後悔しているのは、やはり主治医の指導を重要視しなかったことです。毒親だと知らずに圧力に負けたことも一因ですが、やはり働いて稼ぎたいという気持ちが前に。
結局ドクターストップを無視して就職は出来たものの短期間で体調悪化により退職という結果になりました。「まだ働くには早いよ」という言葉を信じることが大切。
うつ病になる人の性質
- 非常にまじめ
- 働き者
- プライドが高い
- 周囲に迷惑をかけない努力家
基本的にうつ病にかかってしまうタイプとして上記のような絵にかいたような理想的な企業戦士なのです。企業戦士ならば、もっと割り切っても良いハズ。
ビジネスライクだと割り切ることが出来ずに人情で行動している部分も目立ちます。だからこそ限界に達してしまい倒れる時が訪れるんですね。
再発を繰り返す危険性
超真面目で理想的な企業戦士タイプはAIになりきることが出来れば乗り切れるでしょう。厄介なのは人としての感情の面が大きく作用するからなのです。
再発を防ぐために考えたいこと
私は再発を繰り返した当事者だからこそ苦しみが分かります。闘病中にも関わらず職安に飛び込んでしまうようなことは極力控えたいものですね。
もし就職活動をしたくなったら、職安に駆け込む前に仕事をしている状況を想像してみることをオススメします。朝夕の通勤は毎日続けることが可能かどうか。
何よりも自分自身の病状を把握することから。どのような状況になったらパニックになったり気分が悪くなったりダウンしてしまうのかなどを想定してみるのです。
働き方を模索すること
働き方はひとつではありません。朝から夕方まで毎日週5日が定番と思われがちですが、大多数の人がそのような形で働いているから思い込んでしまうのです。
- 昼間だけの2~3時間程度
- 平日の3日と土日の1日
- 土日祝日だけ
上記は働き方の一例ですが、世の中には本当に沢山の業務形態が存在します。8時間という拘束時間に耐えられそうにない場合は、短時間から始めるという方法もあるワケです。
転職は悪いことではない
職場を変わることへの罪悪感は捨てても良いと思います。転職することは悪ではありません。
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まずは治療に専念すること
転職や希望する職場に就職が決まるということは、病状が悪くても人材がほしい証拠なのです。ですからまずは落ち着いて考えましょう。決して焦らないでほしいのです。
闘病中だという自覚を持ち、そして通院を続けて治療に専念することを最優先課題として回復を目指しましょう。
病院や医師がキライという意識がある以上は回復が見込めません。それ以上に悪化する可能性もありますし、回復しないままということもあります。
医師との信頼関係を築くことが近道
回復していくためには、やはり主治医との信頼関係なくしては考えられません。主治医を信じてこそ正しい治療のための相談や報告ができます。
信頼関係を築くためにセカンドオピニオンで他の医師の意見を参考にするのも一つの方法です。何より患者として安心して治療を任せられる医師を探すこと。
安心できる主治医と安全な病院という場所にたどり着くことが出来た人から順番に緩解への道が開けていくのです。近道にも焦りは禁物です。
まとめ
精神障害が3級で働いている人は沢山います。肝心なのは3級だと認定された時期と病状との照らし合わせが肝心。周囲からの焦燥感をあおられるのは論外です。
私が後悔していることはドクターストップを完全に無視したこと。必ず後でアダとなって返ってきますから。まずは医師との信頼関係の構築から始めましょう。
緩解の時期は主治医が決めることだと信じてみるのです。退職しないためには働けること以外にも、毎日通勤するチカラがあるかどうかも確かめること。
休職を繰り返さないためにも自分自身の体調の変化や浮き沈みの度合いを把握できるようにしましょう。もし緩解の見込みがない場合は3級が妥当なのか主治医に確認を。
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