吹奏楽でトランペットの役割はソロだけじゃない!各パートで真相解明
アンサンブルの時の思い出と言えばトランペットのソロはひと際甲高くカッコ良く決めるファンファーレに憧れを抱いたものです。通称ラッパと呼ばれる楽器の魅力はソロだけじゃなかった!





吹奏楽ではトランペット次第でアンサンブルの「表現力の高さや能力」を問われるといっても過言ではない!当然ながら理由は目立つからなんですけど。
最初にトランペットのソロから始まる曲も多く。曲の途中でもラストであってもトランペットはとにかく目立つ!ただちょっと誤解されがちなのが「ソロ」の存在意義。
1番(ファースト)だけが頑張ってる!わが校の吹奏楽はトランペットの1番がすごいから!という認識。一体どこがどうなってそんな誤解が生まれたのでしょう。
そもそもアンサンブルという視点で考えると全員でバランスよくハーモニーをつくりあげる!というのが定説のはず。なぜトランペットは1番次第だと思ってしまうのか。
トランペットは1番以外にもパートのメンバーが存在します。トランペット全体のことや各パートについて1番だけじゃない理由も含めて「役割」を調べてみました!
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トランペットパート全体の役割とは?
曲の出だしを華やかに彩るファンファーレ!と言えばトランペットでしょう。旋律楽器として曲のイメージを決定する重要な役割を担っているからこそ美しい音を求められます。
トランペットの役割は大きくわけて3点あります。
- タイミング良くあらわれるヒーロー的存在
- 曲の彩りを左右する華やかな音色
- 旋律楽器として曲のイメージをキメる
美しい音色で曲のイメージを決定するべく正義の味方「トランペットレンジャー」が登場!というイメージでしょうか。アンサンブル的には花形集団の要素が満載です。
吹奏楽で多くの曲はトランペットが1番~3番という譜面に分かれていますね。中には4番やコルネットといった譜面がありますが。ほとんど吹きっぱなしという曲も!
「トランペットの休日」といえば運動会の超定番曲!そしてトランペットが全編にわたって活躍する代表作。アンサンブルが爽快感になれるのはトランペットパートの頑張り次第!
作曲や編曲した人は鬼だ!という声も聞こえてきそう。ただしアンサンブルをよく聴いてみるとトランペットの1番だけが頑張っている、というよりもパート全体で演奏しています。
吹奏楽のトランペットの位置づけは以下のとおりです。
- 金管楽器をリードする
- 曲中のあらゆる変化の場面でインパクトを与える
- 木管楽器とコラボする
金管楽器の中でも高音域のトランペットにしかできないこと!と言えばリード役。中低音域の伴奏に色付けするようなリズムを刻みつつ木管楽器ともコラボしたり。
耳で聴いているだけでも忙しい!メロディやソロもこなすので輝かしく華やかな反面、全体の音よりも大きく出すぎないという「節度」を守っている楽器でもあるんです。
プレッシャー以外のナニモノでもない「曲が始まる第一音!」これがキマったと思ってメンバーは一安心。がしかし!トランペットパートの苦難は曲の最後まで続くワケで。
曲の途中で変化が起きる時にも必ずトランペットが登場!例えるなら「晴れた日に散歩していたら急にスコールが降ってきて」という場面転換の役割もします。
最後の大切なワンシーンまでトランペットは気を抜けない。美しいハーモニーを奏でつつピッチやバランスをを保つために譜面どおりに演奏するという楽器なんです。
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トランペットのパートには重要な役割が!
トランペットの醍醐味やちょっとアンサンブルを聴いただけで決めつけてしまいがちな注意点!それは「1st至上主義」という誤解。譜面を見ればわかることなんですが。
パートで和音を構成する時の作曲家の意図として「すべての音」が重要だからスコアにします。誤解しがちな事は「各パートに優劣は存在しない」ということ。
吹奏楽におけるトランペットの一般的なパート構成は以下のとおり。
- 1番(ファースト)
- 2番(セカンド)
- 3番(サード)
1番ってスゴイんだ!2番や3番はオマケという悲しくも残念な解釈はやめましょう。1番を吹く人の中には確かにスゴイ技術力や才能を持つ人がいるものですが。
それ以上に2番や3番よりも格が上であるという誤った認識が浸透しすぎているのも事実。トランペットパートという組織の中で序列がひきおこす上下関係に苦しむ後輩たち!
高い音域がまだ難しいからと劣等感を持つ必要はありません!1番以外の人は肩身が狭い、という部活は今一度2番や3番のパートの役割を再認識したいものです。
誤った認識はアンサンブル全体のレベルが低くなってしまう危険が!気づいた時が変化のチャンス。パートの存在意義を見直して奥行きのある味わいサウンドを目指しましょう。
1番~3番のパートごとに違った難しさがあり役割があります。それぞれ役割を果たすことで充実感と達成感を得られる!常に存在価値は対等であることは譜面からわかること。
クオリティの高い演奏を目指すためには正しい認識を持つことが重要。2番も3番も「自信・誇り・責任」を持って演奏すれば世界感が変わること間違いなし!




1番ファーストの役割
- 常に高音域
- 適切なピッチと音量バランス
- トランペットパートの先導役
譜面を見ると見事なまでに高音域メロディの羅列が!どおりで常に目立つワケです。トランペットの顔だ!と思ってしまうのも納得です。ただそれだけじゃないのが1番の役割。
各パートとの和音の調和を考えながら演奏して良い響きをつくるという「配慮役」でもあります。他の音も聴き対等に尊重する「平和主義」的な要素も必須なんです。
先導するのはトランペットパートだけではない!金管セクションやアンサンブル全体を先導する役割も。ここが勘違いポイントになりがち。1番だからと先導役に徹する必要はありません。
パート練習が大切なのは2番や3番と音の打ち合わせを事前にキチンとしておくため。1番が表現豊かにアンサンブルに貢献できるかは2番と3番の腕にかかっています。
- 1stがすべての役割をこなしているワケではなかった!
1番が重要だと言われるのは2番と3番の演奏ありきだから。アンサンブルという全体の表現力に貢献できるのは1番を含めたパートのバランス次第ということになります。
2番(セカンド)の役割
- トランペットの内なる表現者
- パート全体の厚みを作るキーマン
- 1番をサポートする責任と影響力を持つ
トランペットを内助の功で支えるのが2番。ハモリ担当だと言われるのは繊細だからこそ出来る技であり2番の役割を知れば知るほど醍醐味を感じることでしょう。
1番をサポートするという役割は技術的な面で優れていることが必須。骨太で正確な音を奏でることで1番がトランペット全体の和音づくりに神経をとがらせずに済みます。
1番とのユニゾンでは基本的に2番が大きな音量で引っ張りサポートするのが理想的。1番には連続する高音域の譜面が多いため正直バテます。そんな時こそ2番が前に!
実は2番には1番を音で支える事以外にメンタル的にもサポートしています。1番が強い意志をもって演奏できるのは2番のサポート無しでは考えられません。
- こまやかな配慮が必要な超重要ポジションだった!
アンサンブルではソロ担当の1番に指示が集中しがち。「もっとピアニッシモで!」と指摘された1番を2番が音量調節でカバー。つまり相対的に1番を小さく演出する巧妙さも必須。
まさに臨機応変に対応するアタマの回転の早さが必要。1番が気持ちよく演奏できて素晴らしいアンサンブルに貢献することができるのも2番の技次第と言えます。

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3番サードの役割
- メロディと同じような動きを追いつつ美しいハーモニーをつくる
- 下の音域で音の厚みをつくりパート全体を支える
- 金管楽器と木管楽器を橋渡しする影の立役者
3番って楽しくない、と良く聞く悩みや愚痴の中に紛れて見え隠れ。スコアを見るとホルンの音と重複していたりするので3番がスネるのもチョット分かるような。
でも待ってください!曲を作った人がトランペット3番のスコアを書いた意図を考えてみましょう。存在するのは必要な音だから。そう認識出来ると3番の世界感がガラリと変化します。
- 3番は助演賞レベルのベテラン俳優でまさに名脇役!
単なる縁の下の力持ちと侮るなかれ!オクターブ下でのロングトーンは和音の土台をつくる重要な役割です。美しいハーモニーは低音域でのユニゾンとハモリを楽しんでこそ!
「今の和音よかったよ!」という称賛は3番の影響力と責任感のなせる技。良い和音をつくった張本人だからこそ感動と響きの体験により「やりがい」がうまれます。
サックスやホルンとメロディを共に演奏することで他の楽器との橋渡し役も担っているんですね。アンサンブルでは一体感が必要ですから重要な役割だということは明らか。
トランペットパートの補佐だけにとどまらないのも3番の特徴。低音ばかりの譜面だと油断していたら突如「中音域~高音域の音」が登場して驚いたという話は吹奏楽あるあるです。
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まとめ
トランペットが華やかで常にイイトコ取り!という印象は「1st至上主義」では成り立たないことが分かりました。パート全体のバランスが良いからこそなんですね。
- タイミング良く現れるヒーロー的存在
- 曲の彩を左右する華やかな音色
- 旋律楽器として曲のイメージをキメる
改めてトランペットパート全体の役割を振り返ってみると1番~3番のパート全体の一体感が不可欠。そのためには2番と3番のポジションは絶対ハズせません。
むしろ2番や3番の譜面を担当することになったあなたはラッキーだと思えるでしょう。なぜなら1番を支えているのは誰?という問いに十分な理由付けができるから。
役割を認識する大切さを知ることでステキなアンサンブルに!この記事があなたの吹奏楽ライフに少しでもお役にたてれば幸いです。
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