トランペットよりも管が明らかに長く、カタツムリのようにグルグル丸い楽器それがホルンです。金管楽器らしからぬソフトで人当たりが良さそうな音の響きを持っていますね。

素朴な音色なのに耳当たりが心地よくていつまでも聴きいってしまうのです。部活では憧れの先輩がソロコンで悠々と演奏していた事が強く印象に残っていて今でも思い出すと癒されるような気持ちに。
金管楽器の正統派とも言える風貌からは意外とも思える木管楽器のような、ほっこりとした音を持つホルンは吹奏楽でどのような役割を果たすのでしょうか。
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ホルンパート全体の役割とは?

吹奏楽ではホルンセクションが曲の完成度に絶妙な影響力を持っています。演奏の難易度も非常に高い楽器で受け持つパートによっては裏打ちという高度な奏法が待ち受けるのです。
難易度の高い楽器の魅力
ホルンを経験した人が口をそろえて言うのが「ホルンに決めて本当に良かった」というセリフ。ホルンよりも音が良い楽器は無いと断言するほど。
一度関わってしまうと虜になってしまう楽器なのもホルンの特徴でしょう。丸いフォルムも可愛いと人気ですよね。見た目の形と同じくらいに演奏すると良さがわかる楽器なのです。
ホルンのアンサンブルの響きは素晴らしくパワフルで、とにかくカッコイイ。
4人でワンセットというパート
ホルンという楽器は1番から4番までの4人で1セット。どのパートにも超重要な役割があります。
一般的に吹奏楽においてホルンのパート分けをする場合は、高音が出せる人優先で1番を担当することが多く、次に全体の音のバランスが良く上手い人が3番という決め方です。
最後に下音域のラインを演奏する係として2番や4番、という風な決め方が往々にしてあるのが現実なんです。4人でワンセットという重要な役割があるということをお忘れでは?
ホルンの役割って?
- 全体の表現力に厚みを加えるように出す
- 独特の音色で表情を豊かに演奏する
- 幅広い響きを求められる
例えばオーケストラならばヴィオラ的な立ち位置なんです。令和の天皇様がオーケストラでヴィオラを担当していらっしゃるのを見かけると、吹奏楽のホルンを彷彿とさせます。
ホルンは4つのパート全てのバランスが大切なんですね。吹奏楽では表現力に欠かせない豊かな音を求められることが多く、金管楽器では珍しい独特の音色を大きく響かせるのです。
ホルンは何でも屋さん?
吹奏楽でホルンが何でも屋さんだと言われる所以は以下のような役割があるからなんです。
- メロディを演奏する
- 旋律のフォローをする
- 伴奏も担当する
- ハーモニーでバランスをとる
曲によっても役割が違うので、それぞれに頭を切り替えながら演奏する必要がありますね。ある時はメロディを優雅に演奏したり、伴奏に徹する曲もあったり。
ホルンパート全体のハーモニーが吹奏楽全体のアンサンブルのバランスに影響すると言っても過言ではありません。
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ホルンのパートごとに役割がある!

一般的なパート構成は以下のとおりです。どのパートにも役割が割り振られていて、たとえ4番でも欠けていては成立しない重要なポジションばかり。
- 1番(ファースト)
- 2番(セカンド)
- 3番(サード)
- 4番(フォース)
パート分けの重要性
1番から4番それぞれに音域が違うのでパート分けは重要なのです。担当する人の向き不向きはもちろんのこと、音量や音の太さなど客観的に適性を判断して決めます。
ホルンのパートは高音域の担当と低音域を担当する譜面にわかれています。譜面上では主に1番と2番、そして3番と4番という風にわかれているのが特徴です。
ですが実際のところ音域で譜面を見てみると主に高音域担当が1番と3番、低音域は2番と4番が担当するという曲が大多数で最初は戸惑ってしまいますね。
なぜ4つもパートが存在するのか
ホルンが吹奏楽の中においてパート自体の人数が少ないのになぜ4つもパートが存在するのでしょうか。それはまさに4つの和音によってハーモニーを奏でるため。
ですから4つのパートはそれぞれ違う役割があるというワケなんです。
ホルンの場合には単純に旋律を吹きたいから1番がいい!と言ったり、新人は低音域の4番だからね!という安易な割り振りではホルンパートのバランスが取れません。
では1番から4番まで役割を詳細に見ていくことで間違った分担をあらかじめ防ぐ対策をしていきましょう。
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1番:ファーストの役割

1番ファーストと言えばホルンのトップとも言える位置づけです。まさにホルンの顔としての存在感は抜群!4つのパートの中で最もメロディーやソロが多いのが特徴ですね。
役割は高音域やソロだけじゃない!
高音域担当として高音をパワフルに聴かせる技術が求められるだけでなく、ホルンパートのアンサンブルリーダーとして4つの音のバランスを常に考えながらパート全体をまとめます。
役割はまとめるだけに留まらず、他の楽器のトップである1番(ファースト)とのコンタクトが要となりアンサンブル全体の音のバランスを考えながら演奏しなければなりません。
いわゆる統制力を試される位置づけだとも言えるでしょう。これが1番を演奏する者の向き不向きにも関わってくるんですね。先陣を切るタイプとはまさにこういうことでしょう。
リーダーとしての資質
1番はホルンパートのリーダーとしての力量も持ち合わせる必要があります。他の楽器の1番がどのような演奏をしているのか良く聴きつつ音色や音量を注意深く合わせていくのです。
アンサンブル全体の音楽の質をアップさせる役割もあるのです。1番は一見演奏に自由度がかなりあるように見受けられますが実際のところ皆をひっぱっていく役割なので責任重大!
責任があると同時に音色などの表現については自在に変幻させる権力があるとも言えるので、まさに「オレについてこい!」タイプで亭主関白的な位置づけでしょう。
アンサンブルの細部にこだわる感覚
アンサンブルに影響するほどの権力があるのですが、やはり全体のバランスは演奏中に細部にまでこだわるような感覚を持ち合わせている必要があります。
ホルンパートのソロでは1番ならではの役割であるハイトーンが待ち構えています。絶対的ソロと言われる所以でしょう。
4つのパートから見ると一見最難関のように思えますが意外に高音域を攻略すれば比較的簡単なパートだと言えるかもしれませんね。
譜面上では音符の上の部分である高音域を担当するわけですから常に一番高い音を演奏します。物怖じせずに堂々と演奏できてこそ役割は果たせるのです。
2番:セカンドの役割

2番セカンドは下の音域担当でありながら高音域担当の1番と同じ譜面となっています。常に1番の演奏を意識できる状況に置かれるというワケなんですね。
リーダーを自在に操る?
2番の譜面を忠実に演奏すると同時に、必然的に伴奏であったりハーモニーとして常に1番とのバランスや音程に配慮しながら1番を支える役割ということになります。
古風に例えるなら三歩下がりつつ黙ってついていくという大和撫子タイプでしょう。1番が安心感を求める相手が2番というワケですね。
1番が思い切りハイトーンで演奏したりソロの演奏を影で支える役割として、2番は重要なポジションなのです。影で支えつつもホルンのパートリーダーを自在に操ることも出来ます。
1番を支えるかじ取り役
良妻賢母のように見えて実際は夫を尻に敷くタイプとでも言いましょうか。時に夫をアゴで使うような時だってあるかも知れませんね。
高音域を担当する1番と3番に続くセカンドパートだと思われがちなのですが、意外としたたかにホルンパートを影ながらコントロールもしているという重要なパートなのです。
1番をしっかりと低音域で支えつつ2番として譜面を見ながらバランスのかじ取りを兼務しています。つまり方向転換のカギは2番が握っていると言えますね。
1番と4番に配慮をするハイレベルな役割
1番と譜面を共有することによって寄り添いの演奏をすることも重要な役割ですが、1番が高音域で暴走しかけた時に着地点を示す役割も担っています。
1番が譜面上で高音域が続いて大変な時こそ2番の出番!2番として安定した演奏を心がけることで1番はとてもラクになるのです。反対に2番が弱いと1番は迷走しがち。
ピッチはもちろんのこと、音量や音色を1番にぴったり寄り添うことを意識することが重要で、特にピッチに関しては同じ低音域を担当する4番に示唆する役割もあるのです。
1番と4番に気配りや配慮ができることを求められるハイレベルな役割が2番というパートの実態ということになります。
アンサンブル全体の空気を瞬時に読めるような頭の回転が早い人がピッタリの役割と言えるでしょう。意外だと思われるかも知れませんが大事なポジションなんですね。
3番:サードの役割

3番は1番と同じ高音域担当。ですから1番と同じ旋律を演奏することが多いのですね。高音域が得意な場合はかなり有利。1番と共に高音域を制覇しながら助ける役割なんです。
1番の旋律を引き継ぐ重要な役割
時には1番の代わりに旋律を演奏することも。3番の軸が揺らがなければ1番はホルンパートを3番に任せることができて、1番の役割でもある他の楽器の1番との橋渡しに専念できるのです。
3番は1番ほど目立つわけではありませんが清く正しくの正統派として本領発揮するのです。1番の代わりにホルンを取りまとめるリーダーの役割として重要なポジションをとることも。
3番は高音域の中でもハイトーンが得意である必要があり、1番の代行という役割を担うリーダー的性質を要求されます。目立つことを避けたい控えめタイプにピッタリと言えます。
3番の存在感の重要性
3番は1番とともに高音域を演奏することで1番を補助する役割もありますね。1番が一息つく時こそ3番の出番!代わりにハイトーン付近の旋律を演奏することも。
3番が高音域を支えるからこそ1番がラクに演奏できるのです。3番は1番と並走することで頼もしい存在となるのです。ホルンの高音域の魅力を実力で勝負したいタイプにピッタリの役割なのです。
同時に1番の演奏意図を一瞬で見抜くような洞察力も必須なのです。ソロは1番に任っぱなしではホルンパート自体のバランスが取れませんから3番が存在してこそ成り立ちます。
3番はメンタルトレーナー
1番のアシスタント的存在でありつつ高音域を網羅する力量が求められます。1番に続いてソロを奏でることも多々あるのです。
1番を支えるという意味でも1番に自在に演奏で表現してもらうためにも実質1番を超越するくらいの音量でバランスを取ることも必須となってきますね。
曲の盛り上がりのシーンでは1番と共にユニゾンを演奏したりチカラを合わせてパート全体を引っ張っていく力が求められ、同時に1番をメンタル面でも支える必要があるのです。
4番:フォースの役割

4番はホルンパートの中ではいわゆる縁の下の力持ちと言われています。4つのパートを低音域で支えることでホルンというパート全体の形づくりに貢献するのです。
真の縁の下の力持ち
常に太く大きな低音を響かせ続けます。ホルンパートの譜面に旋律がある時は1番から4番のユニゾンで高音域を担当することもあるのです。
単純に低音域オンリーという役割に留まらず、幅広い音域を演奏できるということが大前提。通常は4番が低音域で安定した音質を奏でるからこそ、1番から3番は個々の役割に専念できるのです。
4番は常に堂々としていて、すべての補助を担当する真の縁の下の力持ちという役割ということになりますね。
勘違いポイントは譜面上での誤解
4番は入部したての新人に任せてしまいがちな残念なパートだと思われがちですが、ふたを開けてみればビックリ!重要な役割満載なのです。
勘違いしがちなポイントは低音域オンリーの楽曲での譜面でしょう。実は4番はホルンパートを丸ごと支えて持ち上げる重要な役割があることをご存じでしょうか。
ホルンパートには欠かせない存在なのです。4番の譜面を自在にかつ安定した良質な音で奏でられるとホルンパート全体の音質や音の厚みに差が出ます。
深い響きと太い音質
パートで和音を演奏するシーンでは1番と同じ音でオクターブ下というケースが多いですね。オクターブの上も下もピッチが合うことで一つの音として認識されます。
4番は深い響きと太い音質という役割なのです。ソロでバリバリという1番とは全く異なるタイプですが、奉仕精神が秀でているタイプにはピッタリ。
絶対的低音域という役割なのです。1番とソロをユニゾンで演奏する譜面に出会うとドキっとしますが、オクターブ下で常に1番に寄り添い時に超低音域を演奏する役割も担っています。
4番の和音という調和への演出が要
低音域で音量を大きく求められるのも役割の特徴ですね。パートの中ではしっかりと芯のある太い音でパート全体を包み込む役割。
和音の時にはいかに厚みや音の深さを演出できるのかという点で4番の手腕が問われるのです。
低音域ばかりに集中している難しい譜面でありつつ、周囲の音との調和がはかれる力量が試されます。譜面の低音域という音質を高品質に保つことができると4番の役割が果たせるでしょう。
まとめ
吹奏楽の中でのホルンはクラリネットなどの大所帯とは違い大編成などで活躍するような強豪校のように部員の人数が多い学校でない限りホルンのパートを網羅するのは難しいでしょう。
ホルンは4つのパートがあるので編成が小さくても4人必要だという事になります。すなわち1つのパートを一人で担当することになります。
吹奏楽のアンサンブルで他に同じ楽器で同じ譜面を吹いているという人はいないのです。だからこそ責任は重大だと言えますね。
4つのパートが美しいサウンドで和音を作り金管楽器や木管楽器をつなげるという役割もあるのです。4つのパートがワンセットなので誰が欠けてもホルンの音色として成立しません。
役割と責任を知ってホルンのパートに愛着を持つことでステキなアンサンブルに貢献できるのです。この記事があなたの吹奏楽ライフに少しでもお役にたてれば幸いです。
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